海凪都は壊れていた。
苦しくて地獄を歩くようだ。
まるで終わりが見えない。
気づくと、海凪都は遠くを見ている。
実はもう7ヶ月ほど前にすでにぶちまけていた。
でも、いつまでも会えるとばかり思っていた。
好きだからといって切ることはできない。
それが本心だろう。
付き合って5年になる。
無意識にキープしたい。
勝手な欲望だとは自分でもわかる。
どうして気付かなかったの?
自分を責める海凪都。
承知していたが認めたくなかったのだ。
ただ、それだけ。
自分ではわからないが、別れた後ですら彼の言いなりだった。
付き合っていた時に彼に言われたらきっと従うと思う。
海凪都は一人で苦しむ愚かな女だった。
すべての正論、悪気はないと思っていた。
海凪都がいつも無意識に言っていたことだ。
それを実感しながら、毎日をすごさなければいけない。
必死になって、彼の好きな女性になりたい。
海凪都の願いは、ただそれだけだった…